本格的に寒い季節になりましたが、早くも花粉症などという言葉も聴かれるようになってきました。
 犬は虫歯にかかることはありません。犬で問題になるのは歯石です。歯石は歯の表面に残った歯垢に、石灰沈着が起こったものです。
歯石は臭いのもととなり、また細菌の温床ですので、放っておくと歯肉炎や歯周病を引き起こします。歯石がついた歯が抜けずに残っていると、ひどい場合はあごの骨を溶かしてしまうこともあります。
特に奥の方の歯は普段見えないため、本来の白い歯が完全に歯石で覆われていても、飼い主さんが気付いていない場合があります。

 一度ついてしまった歯石は、全身麻酔下でのスケーリング処置をすることでしか落とすことはできません。しかし、麻酔のリスクは年齢が進むにつれ高まりますし、心臓や肝臓に病気がある場合には麻酔をかけることができなくなります。このため、歯石がつかないように予防をすることが重要になります。

 歯石予防のグッズはいろいろありますが、一番効果的なのは、犬用の歯ブラシやガーゼなどで歯垢を直接取り除くことです。歯垢は4~5日で歯石になると言われているので、日々のケアが大切になります。
といってもほとんどの犬が口の中を触られることを嫌がると思いますので、まずは歯磨きペーストなどを使い、口の中を触られるのに慣れさせることから始めましょう。
歯磨きガムや歯石用の処方食は、何度も噛むことで物理的に歯垢を落とすものですので、食べ物を丸呑みするような子だとあまり効果は期待できません。

 歯の問題は食欲不振の原因にもなります。
わんちゃんがいつまでもおいしく食事ができるように、歯石予防を通して健康な歯を守っていきましょう。